大判ポスター印刷やデザインでよく使われる専門用語集
2017/07/23
ポスター印刷やデザイン入稿でよく使われる専門用語
印刷入稿するときに知らない専門用語が飛び交ったりしますよね。 出来る限りよく使用される、印刷入稿するのに必須の専門用語やそれに類する専門用語のみをピックアップして解説させて頂きます。
・CMYK
C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(キープレート)の頭文字を取ったのがCMYKです。CMYKは印刷の仕組み上RGBに比べて色の範囲が狭くなります。(くすんだような色味になる)
Kは黒(純黒)と思われがちですが、純黒ではありません。「K100%にしたのにグレーっぽいのはなぜ?」という問い合わせは非常に多くありますが、純黒では乾きにくく、また触ると手にインキが移ったり周囲の本に色移りするなど問題がおきるため、「印刷業界でいう黒=K100%」になりました。
・リッチブラック
K100%+CMY40%づつ足した状態をリッチブラックといい、より引き締まった黒になります。 CMYKすべて100%にした場合、大量のインキが紙にのるため裏移りしたり紙と紙が引っ付いてしまったりトラブルが起きるため、CMYK100%は印刷会社によってはNGにしている場合あもあります。※ポスターラボはRGB印刷のため純黒の印刷も可能です。
・RGB
光三原色のR(赤)、G(緑)、B(青)で、RGBは光、CMYKは色、といえば違いが分かりやすいでしょうか。テレビなど光を使って色表現するものがRGBです。
「印刷と言えばCMYK」というイメージが強いですが、あくまでオフセット印刷の話で、インクジェットプリンタはRGBでの印刷が可能です。※ポスターラボもRGB入稿、印刷に対応しております。CMYKでの入稿も可能ですが、仕上がりはCMYKに準じます。
・入稿
完成した印刷データや原稿データを印刷会社に渡すことを入稿といいます。
・トンボ(トリムマーク)
カットするときの「ここで切ってください」という、仕上がり位置を指定するために使用します。トンボ無しでは入稿を受け付けない印刷業者もあります。
・塗り足し
裁ち落としやドブとも呼ばれ、用紙の端まで色やデザインが配置されている場合は、塗り足しが無い場合、紙の白色が入らないよう1~2mmインカット(デザインの内側をカット)しなければならず、指定のサイズより少し小さめの仕上がりになってしまうため、希望サイズになるべく誤差のない仕上がりを求める場合はトンボと塗り足しは必須です。
・アウトライン
特殊フォントなどを使用してデザインした場合、文字をアウトライン(図形化)しなければ特殊フォントを持っていないパソコンで文字を表現することができず、印刷へ進めることが出来ません。図形化してしまうと文字の編集機能は失われますので、印刷入稿する時のみアウトライン化するのが一般的です。
・画像埋め込み
IllustratorやPhotoshopなどで画像を配置する場合、「リンク配置」と「埋め込み配置」があり、リンク配置の場合は画像はファイルを開くたびに元画像から画像データを呼び込む形になります。埋め込みはファイル内に画像を埋め込むため、1つのファイルに集約されますがファイルサイズは重たくなり、リンク配置は複数のファイルに分かれますが軽くなります。
・EPS形式とPDF形式
EPS形式は、Photoshopの画像編集で使用される画像形式のひとつです。ビットマップとベクトル両方の性質を持つ画像形式で、高画質で印刷することができます。PDF形式はEPS形式の後継ともいわれ、同様な性質を持ち印刷入稿に適しているため、近年ではPDF形式で印刷入稿される方のほうが多くおられます。
・アンチエイリアス
デジタル画像はピクセル単位より細かく描けないため、輪郭を滑らかに変化させる処理をアンチエイリアス処理といいます。
・ラミネート加工(PP加工)
ラミネート加工の一種で、ポリプロピレンフィルムを熱や圧で印刷表面に圧着させ、印刷表面を長期間保護させる加工です。
両面をラミネートするパウチ加工とは異なり表面だけの保護のため厚くならず、雑誌の表紙や、大判印刷でラミネートといえば、一般的にPP加工となります。
・ラミネート加工(パウチ加工)
PET(ポリエステル)を使用し、用紙を表裏両面からPETで挟み、熱圧着(パウチ)し密封、保護する加工です。
一般的に普及しているものは100µ(0.1mm)以上のフィルムで厚みと硬さがあり、上下のPET同士が熱で密着するため全面に透明な端が出来るのが特徴です。
・パネル加工(ハリパネ)
ポスターをスチレンボード(発砲パネル)に張り付ける加工です。等身大パネルやつりさげ案内板などさまざまな所で利用されています。
3mm、5mm、7mmが主流で、ポスターラボでは反りにくく厚みのある7mmを使用しています。
・解像度
用紙によって適切な解像度は変化し、新聞など(120~150dpi)、文庫本の文字中心(150~250dpi)、デザイン印刷(250~350dpi)になります。基本的には印刷業者側で適切に調整するため、内容にかかわらず300dpi前後で制作し、入稿するのが望ましいです。
人間の目が3~400dpi以上の画質を認識できないことや、それに合わせて印刷機の表現も3~400dpi以上の必要性が無いことから、いくら解像度を300dpi以上にしても見た目の変化には至りません。
・面付け(めんつけ)
1つのデータにいくつもの印刷データを並べ、印刷の生産効率を高める方法です。印刷会社が生産効率を高めるため面付けするのは一般的ですが、面付けするとカット処理が必要になるため、ユーザーはユーザー自身でカット処理しコストを抑えようと面付け印刷を行う方もおられます。
・裏抜け
印刷したとき、インクが紙の裏までしみ込んでしまう状態をいいます。薄い紙は裏抜けしやすくなります。
・速乾性
オフセット印刷は性質上インキ乾燥に時間がかかり、数時間乾燥させる必要があります。それに対しUV硬化インキなどを使用しUV光を照射して硬化(乾燥)させるUVオフセット印刷では乾燥の時間が必要ありません。
オフィスやコンビニにあるレーザープリンタ(複合機)もトナーですので印刷時からウェットにならず、家庭用インクジェットプリンタのインクも速乾性は高く、ベタ塗りでも数分で乾燥します。ポスターラボが当日渡し可能なのは、速乾性インクを使用しているからです。
・耐光性
印刷物が最も苦手なのは、光(紫外線、赤外線)です。 その紫外線に対してどれだけ耐久性があるのかですが、基本的に室内の直射日光の当たらない場所でテストされますので、直射日光が当たる場所、強い紫外線が当たる場所ではメーカーの謳う耐光性にはならず、すぐ劣化が始まります。 UVカットラミネート加工を施すことで長期間ポスターを保護することができます。
・耐オゾン性
耐オゾン性とは、オゾンのもつ酸化作用による劣化度を示しています。オゾンは酸素と同素体でもあり大気中のどこにでも存在するものですので、紫外線のあたらない場所で保管していても劣化してしまうのはオゾンの影響です。
・インカット
用紙サイズ丁度に制作された塗り足しのないデータに対し、データの内側をカットすることです。 データの内側をカットしますので、用紙サイズより1~3mm程度小さく仕上がりますが、白フチなどが付かないよう仕上げることができます。
・カール(紙くせ)
ポスター印刷に使用される紙はロール紙と呼ばれ、巻かれた状態で印刷機にセットします。内側になるほどカールは強くなります。
・色校正
パソコンのモニタで見る色と、実際の印刷物で見た時の色の差を調整したり、プリンタ毎によって同じデータでも発色が異なる場合があるため、実際に1枚印刷してみることで発色を確認したり、サンプル用紙のカラーチャート表などで発色を確認することを色校正といいます。
・耐水性
水に濡れたり湿気の高いところで使用した場合の性質をいいます。 インクはペンキと同じ顔料を使用するため耐水性がありますが、紙は水を吸収してしまうため耐水性は低くなります。 マット紙は水や湿気に非常に弱く、光沢紙は表面がコート加工されているため、マット紙に比べれば撥水性があり湿気に強くなります。合成紙はプラスチック素材と紙を合成したもので、高い耐水性を持ち、湿気などで弛むことも殆どありません。
・トリミング
画像の不要な部分をカットすることを「トリミング」といいます。 アナログカメラやジタルカメラ、用紙規格のA版B版などすべて縦横比が違うため、トリミング(切り出しや切り抜き)が必要になる場合が殆どです。
・グロス
光沢を高めたものをグロス(グロス調、グロス系)といい、光沢の無いものをマットといいます。グロスがあるほうが高級感があり写真などにも適していますが、光を反射するため文字が多い場合はマットの方が適しています。